そもそも あまもり

そもそも外壁

建築に携わる者で 雨漏りがある建物を作ろうと考える者はいないでしょうが、実際 世の中には たくさんの『あまもり』があります。

理由は次の2点です。
  (1) 雨の想定外の動き。
  (2) 雨対策の工夫(防水など)の不備、あるいは劣化、損傷。    

(1)は 最近のゲリラ豪雨などの場合に顕著で、局部的な雨の集中で、本来(雨のかからない部分)に雨掛りができてしまったというような状態。
[ 降雨量 > 排水量 ]のとき 樋や防水の端部を越えて雨水がその裏面に周り漏水を起こす場合、思わぬ方向から雨風が強襲した場合、などです。

(2)は 雨対策の工夫が 経年や物理的な力などで 劣化・損傷・変形した場合です。比較的対処は簡単な場合が多いのですが、当初から簡易な防水やシーリングに頼らざるを得ない納まりの場合、頻繁に漏水に悩まされることになります。
このような場合は 雨の(降る・掛かる・漏る)性質を知った上で 雨を(避ける・流す・返すetc.)仕組みを取り入れる方法での対処(『雨仕舞』)が有効です。 『雨仕舞』は、遮水・非透水性に頼らない仕組みといえます。
しかし、その反面 水の浸入を【遮へい】の手段で防ぐ場合(風など)には非力です。 『防水』は [水を通さない部材を使って、水を溜める」ための技術であり、部材の非透水性・膜の連続性・強靭性、が生命線なので、それらが失われたとき 性能を失います。

ということで、『雨漏り』に対しては、『防水』と『雨仕舞』のより良いと思える部分を選択あるいは併用するのが良策といえるでしょう。
(ゆめゆめ「なんでもかんでも かぶせればいい!」などと考える傲慢な防水屋にならぬように。)
<追記> (1)を付記します。
『想定レベル』の問題、という場合もあります。
施工レベルでの稚拙さばかりではなく、設計段階での想像力の不足が問われる場合もあります。